飲んだ飲んだ | 猫の会

北村耕治の雑記

飲んだ飲んだ

ずいぶん飲んだ。
珍しいことでもないけれど。

足掛け7年、演劇の授業を持たせてもらった学校を去ることになった。
あの会議室で何人と遊んできたんだろう。
毎年毎年、よくもあれだけかわいい子らが集まった。

水曜日だけやってくる、得体のしれないオッサンによく付き合ってくれました。
いや、7年前はまだ青年だったよ。ぎりぎりオニイサンだったよ。

あの街のあの駅のある、6車線もある幹線道路の交差点がずっと好きになれなかった。
東西南北どこへ進んでも同じ景色がひろがっていそうな無個性な街並みが不気味だった。
だけどちょっと裏へ回れば、いまだに昭和を感じさせる温かみのある
商店街を歩けるなんて知ったのはここ1、2年のことだった。

書きかけの台本を持っていって、この先が思いつかないので考えてほしいと無茶ぶりしたこともあった。
書き物のスランプにも付き合わせるなんて、ひどい講師だった。

少ない小遣いをやりくりして、劇場へ来てくれた子たちもいた。
はじめは教え子だったのに、気がつけばとなりで酒を飲んでるやつもいた。

仲間と呼べる人間もずいぶん増えた。
たくさん話してたくさん遊んで、ずいぶん飲んだ。

近所にうまい魚を出す店があって、何かと理由をつけては暖簾をくぐった。
だから昨日もたらふく飲んだ。
大鳥居から穴守稲荷へ、穴守稲荷から蒲田へ、蒲田からまた大鳥居へと飲み歩いた。
寝て起きて、蕎麦を食べてまた飲んだ。

飲んだ飲んだ。
ずいぶん飲んだ。

7年分の打ち上げだもの。
べつにそれくらい、いいでしょう。